アニメのフィラーエピソードとは何か
アニメのフィラーエピソードとは何か
皆さんはフィラーエピソードという言葉を聞いた事はあるでしょうか。
この言葉、主に海外のアニメコミュニティで使われているのですが、ネガティブな意味合いを持ち、そして多くの場合嫌われています。
さて、フィラーエピソードとはなんだと思いますか?
海外で説明されている文章を訳してみたところ、
フィラーエピソードは、アニメやその他のテレビ番組で、主要な章(○○編など)の個々の重要なイベント間、または1つの主要な章の終わりから別の主要な章の始まりまでの時間を稼ぐために使用されます。
フィラーエピソードとは、長期的なストーリーの進行に影響を与えたりメインキャラクターの深掘りをしなかったり、二度と登場しないサブキャラクターが登場したり、その他の重要人物(メインキャラクター以外)が登場しないエピソードです。
引用:「Filler episode」BULBAPEDIA 英語版 2020/12/22 17:05時点より
※意訳、訳注あり
とあります。
つまるところ、
- 原作にないエピソード
- 全体のストーリーに関係ない・影響しないエピソード
- キャラクターの深掘りがされないエピソード
- 二度と登場しないサブキャラが出てくるエピソード
- 主人公以外の重要キャラが出ないエピソード
といったところでしょうか。
ドラゴンボール、ワンピース、ナルト、BLEACH、ポケモンなど、長く続くアニメにはよくみられますね。
フィラーアーク、つまり○○編などを丸ごとフィラーとして扱う事もあります。
アニメオリジナル編とか、ありますよね。
海外ではアニメを視聴する際、これらのフィラーエピソード、フィラーアークを飛ばして観るために、あらかじめ調べる事さえあるようです。
それも不要な回ですか・・・
そしてフィラーエピソードはこれらの長寿アニメだけのものではなく、短いワンクールアニメ(1度の放送が12話程度で終わる)にも存在します。
その中でも一番有名なのは『サービス回』です。
水着回、ビーチ回、お風呂回、温泉回などなど、呼び方含め色々ありますが日本産のアニメではもはやお約束になっていますよね。
あまりにお約束過ぎて、アニメ内でメタ的に扱われる事もあるくらいです。
そしてこれらのサービス回は海外では「不要な回」とされています。
・・・、ちょっと複雑ですよね。
彼らの言い分では、視聴者サービスの為に肌を露出させる回の存在意義が分からない、といったところなのですが、例えば温泉回・お風呂回などは本当に不要なのでしょうか。
風呂は命の洗濯よ by 葛城ミサト
日本では一般的にはお風呂はリラックス出来るものとされ、銭湯や温泉など、不特定多数と同じ湯船につかるのは「裸の付き合い」と呼ばれる事もあり、これらが意味するのはキャラクター同士が身分などを取っ払い、心の距離をちぢめて会話する回、と言えなくもないでしょうか。
普段はとっつきにくいとされるキャラが温泉では以外な一面や内面を見せるなんて事もありますよね。
お風呂回なども、キャラクターが一人で回想にふけるシーンなどに用いられ、役に立っているような気がします。
ただ単にお風呂回だから温泉回だから、と不要と見做してしまうのは、ちょっと納得がいかないというか、勿体ないな、と感じます。
日本と海外の違い
それにしても何故海外ではこうもフィラーエピソードは嫌われているんでしょうね。
テレビの仕組みの違いもあるのでしょうか。
日本ではテレビ番組は基本的に民放放送が多く無料で視聴可能で、日本で一番多く利用されている地上波の映像プログラム群ですよね。CSやBS、スカパー!などもありますがまだ地上波には敵わない。動画配信サービスが台頭しているくらいでしょうか。
(ちなみに最近はテレビを観ない人達も増えてますよね。私もその一人で、テレビを持っていません。)
海外にも地上波はありますが、欧米では特にケーブルテレビやVODなど有料放送の方が多いのではないでしょうか。
つまり、お金を払って観ているのに、どうでもよいエピソードに時間をとられたくない、さっさと話を進めろ、という事かもしれませんね。誰かこの辺の考え方に詳しい人に話を聞きたいところです。
その点我々日本人はといえば・・・、まぁ慣れたものです。
フィラーエピソードに対してそこまで目くじらを立てる事もありませんよね。
実際のところ、完全に原作準拠でアニメ化するとアニメから入った視聴者に分かりにくくなる部分を補足する事もありますし、面白い回も沢山ありますし、フィラーエピソードはそれでいいと私は思っています。
ところでこのフィラーエピソードという言葉、なんとか日本語に訳せないものでしょうか。
色々考えてみたのですがなかなかしっくり来る言葉が無いんですよねぇ・・・。
穴埋め回?尺延ばし回?どれも微妙に違うなぁ・・・。誰か妙案を。
それでは皆さん、良いアニメライフを。